ここでは、宝石珊瑚の買取事情について紹介していきます。買取相場を確認できるように、いくつか事例を載せました。査定額がアップするポイントもまとめたので、自分がもっている珊瑚に当てはまるか参考にしてみてください。
珊瑚は古くから宝飾品・嗜好品として愛されてきた宝石です。指輪やネックレス、ピアス、ブローチをはじめさまざまなアクセサリーに加工されてきました。原木に彫刻をほどこした美術品も重宝されています。安定的な国内需要があるうえ、昨今は中国での需要が増加傾向。より高額で取引きできるため中国へ販売する人が多くなり、国内の赤珊瑚の採取量も減っていることから、希少性が上がっています。
珊瑚の種類は色によって分けられています。桃・赤・血赤とある中、最も査定額が高いのが血赤珊瑚。赤黒い血のような色をしているのが特徴で、世界でも高知県でしか採取できないとも言われています。
成長速度が遅く、1年で大きくなるのはわずか0.15mm。大人の小指ほどの太さになるまでに50年もの歳月がかかります。そのため大きさのある血赤珊瑚はそれだけで貴重。非常に高値で取引きされています。
赤、桃と色が薄くなるにつれて査定額はガクッと下向きに。ピンク色の珊瑚を売るなら、置物などある程度の大きさがないと難しいかもしれません。
形も評価の対象となり、最も人気なのが丸いもの。原木から綺麗な丸に加工するのが難しいため貴重とされています。楕円や雫型になるとやや価格ダウン。細長いカットや特殊な形のものは、加工した珊瑚の切れ端でつくっている可能性が高く、値段がつきません。
形に加えて大きさが加わればさらに高額に。キズや色ムラ、ヒビ割れがなければ最高評価をもらえるでしょう。
珊瑚の中でも宝飾品として高い価値があるのは血赤珊瑚です。高知県でしか採取できず、赤黒い色をしているのが特徴。ピンクや白など色が薄いもの、色ムラがあるものはあまりいい値がつきません。珊瑚はゆっくりと成長するので、大きいほど価値が上がります。
色味の違いや色ムラを正確に判断するのは経験のあるプロの鑑定士でなければできません。買取店によって査定額に差が出るので、買取事例を参考にしながらより高額で買取ってもらえるお店を探しましょう。
珊瑚の買取事例をいくつか見てみましょう。ここでは珊瑚の中でも最も価値の高い「血赤珊瑚」の例を集めています。
珊瑚は色によって査定額に大きな差があり、桃、赤、血赤と色が濃くなるごとに価格がアップ。とくに血赤珊瑚は採取量が非常に少なく貴重です。高額査定を目指すなら血赤珊瑚であることが最低条件になると言っても過言ではありません。
買取価格や状態、コメントなどを載せているので自分がもっている珊瑚と比べてみてください。
依頼者は母親の不要になったアクセサリーを処分したいと考えた娘さん。買取業者を利用したことがなく、どう選べばよいのか迷ったそうですが、最終的には買取実績の多かった業者へ。初めは電話でのやり取りでだいたいの査定額を出してもらい、査定額が良かったので店頭で詳しく査定することに。査定品はK18のリングに珊瑚がついた指輪。珊瑚部分は珍しい血赤珊瑚の丸玉で、ヒビ割れもなく綺麗な状態で高額査定。
鑑定者によると桃珊瑚だった場合、値段はガクッと下がっただろうとのこと。リング部分には小さなメレダイヤも付属されていて、その分少しだけ査定額がアップしていたようです。
原木を活かした形のブローチの買取事例です。留め金にK18が使用されているのが特徴。宅配買取で査定を行ない、珊瑚部分67,000円、K18部分24,500円で買取成立。珊瑚は色の濃さによってレベルが6段階に分けられており、レベル4以上のものを血赤珊瑚と呼んでいます。今回のブローチの珊瑚はレベル4。傷がない状態で重さも十分にあったので高額査定につながったようです。金やプラチナの留め金だと査定額が上がるので、それも価格を上げる要因となっているのでしょう。これでレベル5以上であればさらに値段が上昇していたことでしょう。
ブローチの持ち主は買取業者を比較し、珊瑚の買取について一番詳しく書かれていた業者に依頼したとのこと。査定ポイントが分かりやすかったのが決め手だったようです。
PT850の土台に血赤珊瑚の宝石がついたデザインのネックレスです。色味が濃く、やや小ぶりではありますがキズ一つない非常に素晴らしい状態。大きさが多少小さくても状態が良ければ高額査定につながることがわかります。
珊瑚は色や大きさで値段が大きく異なり、世界的にも質が良いとされる高知産の血赤珊瑚の原木は数千万円で取引きされることもあることも。
依頼者は他のリサイクルショップと相見積を行ない、より査定額の高い業者で買取成立。人気の高い珊瑚のアクセサリーは買取業者間で奪い合いになることも珍しくないようです。
みなさんは珊瑚と聞いて、どんなものをイメージするでしょうか?きっと海の中にある赤い珊瑚をイメージする方がほとんどだと思います。実は珊瑚は宝石でもあり、古くからジュエリーに用いられてきました。
宝石とは言っても、本来は珊瑚虫といわれる動物が形成する貝殻のような外殻物質です。世界的に見ると、宝石としてではなく、お守りやお祝いにも用いられています。とくに、珊瑚は生命を守るパワーが強いとされ、出産や船旅、不老長寿のお守りとして活用されています。
珊瑚の歴史は古く、ローマ帝国の時代から宝石として親しまれてきました。
日本では琉球王国期に現在の沖縄で珊瑚が捕獲され、加工したのちに中国へ輸出されていました。本州ではヨーロッパの地中海産の珊瑚を輸入し、貴族や大名のための装飾品として活用してきたそうです。
現在でも珊瑚の需要が高く、特に経済発展が目立つ東南アジアや中国の富裕層を中心として、その需要は拡大しています。しかし、近年では珊瑚の乱獲や地球温暖化のために採れる量が減っており、世界的に流通量が減少しているのが現状です。
赤珊瑚は日本近海である小笠原列島・五島列島・沖縄・奄美・宮古島などが主要な産地です。地中海でも採れますが、日本産の赤珊瑚のほうが大粒で良質だとされています。
日本産の赤珊瑚は別名「血赤珊瑚」と呼ばれ、血のような深い赤色が魅力の珊瑚です。珊瑚は赤色が深いほど価値が上がるとされていますが、赤珊瑚の中でも特に濃い赤色を持った最高級の珊瑚だけが認められる「血赤珊瑚」は、極めて高値で取引されています。
また、珊瑚は色ムラが無いほど高く評価され、日本産の場合は「フ」と呼ばれる白い筋のような模様が無いものが最高級品として取引されています。
桃珊瑚は、血赤珊瑚同様に日本近海で産出されるピンク色の珊瑚のこと。血赤珊瑚よりも深い水深200~500mの日本近海で採ることができます。桃色と一言に言っても色の幅はとても広く、赤に近いものから白っぽいピンク色のものまで、ニュアンスの異なるさまざまなカラーバリエーションあります。
基本的には血赤珊瑚のほうが価値が高いとされていますが、均一なピンク色の珊瑚は海外では「エンゼルスキン」、日本では「本ボケ」と呼ばれ、高い評価を得ています。
また桃珊瑚は珊瑚の中でも粘り気が強く、彫刻がしやすいとされています。そのため、彫りが入った装飾品や彫刻物に使われるケースが多いようです。
珊瑚と聞いて多くの人がイメージするのは、この白珊瑚のこと。主に沖縄近海や東シナ海、五島列島付近で採取されており、沖縄に旅行に行くとお土産品店などで見かけることも多いようです。
ほとんどの白珊瑚は真っ白というわけではなく、ほんのりピンクがかっていたりピンクの斑点模様があったりするのが特徴。なかには純白の白珊瑚もありますが、とても希少で市場に出回ることはほとんどありません。そのため、ほかの宝石と比べても高値が付きやすい傾向にあります。
珊瑚の色の評価は、石の色・色ムラ・白濁・キズなどによってグレードが決定されます。グレードは大きく5つに分けられ、最も高い評価を受けるものをSランクとし、S>A>B>C>D、とグレード分けされます。最も高い珊瑚のグレードは5Sとされます。
赤色でグレードが高い珊瑚の色を「血赤」、それ以外のもの「赤」と呼んでいます。また珊瑚には深い赤色から薄いピンクまでさまざまな色味があり、深い赤や全体的に均一なピンク、また純白の珊瑚は価値が高くなります。
価値が最も高いとされる血赤珊瑚は、日本海近海で採取され、海外にもファンが多い色味です。10mmを超えるような大粒で、綺麗な丸玉の形をした血赤珊瑚はとくに貴重とされており、数百万の値がつくこともあります。
珊瑚に入っている白い筋模様は「フ」と呼ばれ、珊瑚の骨のような部分です。また、年輪のような模様がある珊瑚もあります。
基本的に珊瑚をネックレスなどにする場合、この「フ」の部分に穴を開け、糸を通すことで、この模様を隠します。もちろん元々「フ」が表れていない珊瑚の希少は希少で価値も高くなりますが、そのような珊瑚はほとんどありません。「フ」が上手く隠れる位置にあり、また色ムラがなければ価値は十分高くなります。
また、珊瑚は海で採掘される自然のもの。そのためキズや虫食いの跡、採取する際にできたヒビなど、外的要因によって傷ができやすくなっています。これらがない珊瑚がより高値で取引される傾向にあります。
宝石はそのカット方法によっても買取価格が異なります。珊瑚の場合、評価基準となるのは主に色や大きさ、キズの有無などですが、形も評価の基準の1つです。
1番価値が高いとされるのは真珠のように丸いボール型。真円に近ければ近いほど値段は高くなります。続いて「カボションカット」と言われる卵型のカット方法、そして水滴のような「ドロップカット」と続きます。残念ながらそれ以外のカット方法にはさほど価値はないとされています。
現在、珊瑚人気が高まっていることから、市場には多く偽物も出回るようになりました。
贋作を見極めるポイントは熱伝導の有無です。天然の珊瑚はほとんど熱を伝えませんが、偽物の場合はプラスチック製が多いため熱を伝えます。
また珊瑚の表面をじっくり見たとき、小さな穴が1つもなければ偽物の可能性が高くなります。本物の珊瑚にはサンゴ虫という虫が生息しているので、表面には小さな穴が開いています。表面がツルツルととてもキレイで穴一つない…という場合は、逆に偽物かもしれないのです。
偽物かどうかを確実に見極めるためには、プロに鑑定してもらうのが一番。手元に本物かどうか分からない珊瑚がある、昔もらった珊瑚が出てきたが本物か分からない…という場合は、鑑定士が在籍する買取店で確認してもらったほうが良いでしょう。もちろん、鑑定をお願いしたからといって必ず売る必要はないので安心してくださいね。
「以前沖縄に旅行に行った際に購入した赤珊瑚のリング。キレイな紅色で、とても高価だったことは覚えているんですが、今では飽きてしまい…売ることにしました。天然の珊瑚で希少だったらしく、予想以上の値段で買い取ってもらえたので大満足です」
「知り合いからいただいた珊瑚の数珠ですが、使う機会がなくてずっと放置していました。軽い気持ちで買取店に査定に出してみたところ、貴重な血赤珊瑚だと判明。思いもしなかった高額査定がつき、本当にびっくりしました。テキトーなお店で売らなくて良かったと心から感じています」
「結婚したときに母がプレゼントしてくれた珊瑚の帯留めが偶然出てきて、懐かしく感じました。天然の珊瑚を使った、良い品物です。でも私たちには娘がいなくて、ほかにプレゼントしたい人もいなかったので手放すことに。珊瑚の買取実績が豊富なお店を探し、買い取ってもらいました」
宝石買取価格の真実
日経新聞にあった「価格差23倍も。宝石の買取価格はこんなに違う」を見て、本当にそんなに差が出るものなのか独自調査をすることに。向かったのは銀座・新橋にある7件の買取店。真実はいかに…
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