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ダイヤモンドは美しく輝く高級な宝石という認識は、世界共通でしょう。なぜダイヤモンドは他の宝石よりも価値が高いのでしょうか?こちらではダイヤモンドに定められた鑑定基準やデビアス社による独占販売、高い需要の理由などについて説明しています。ぜひ参考にしてください。
ダイヤモンドの価値は鑑定士の腕前によって左右されます。そのため、たとえ高いダイヤモンドでも悪いお店に買取をお願いすれば本来の価格以下で査定されてしまうことも。大切にしてきたダイヤモンドジュエリーを適正価格で売却するには、良い鑑定士のいるお店を見極めることが大切。正式な資格を持っている、鑑定・査定だけでなく買い付け経験もあるなど、在籍する鑑定士の経歴がはっきり分かるところを選びましょう。
ダイヤモンドとカラーストーンがどのくらいの価格で買取されているのか見てみましょう。
ダイヤモンド |
ルビー |
エメラルド | サファイア | |
---|---|---|---|---|
1Ct |
406,000~ 899,000円 |
3,000~ 430,000円 |
1,000~ 125,000円 |
1,500~ 50,000円 |
2Ct |
1,574,000~ 3,762,000円 |
8,000~ 300,000円 |
14,000~ 300,000円 |
5,000~ 100,000円 |
3Ct | 3,852,000~ 9,651,000円 |
30,000~ 60,000円 |
15,000~ 525,000円 |
10,000~ 225,000円 |
5Ct | 12,435,000~ 26,860,000円 |
80,000~ 1,250,000円 |
50,000~ 1,000,000円 |
30,000~ 600,000円 |
ダイヤモンドは需要の多さに反して生産数が少ないことから、高い価値がつくと考えられます。ダイヤモンドの原石は採掘できる環境が限られており、一度に採れる数も少なめです。その希少性や美しさから「豊かさの象徴」と捉えられ、1900年代ごろから富豪層を中心にシェアを拡大していきました。
時代とともに採掘量や環境が変化したことで流通量や価値の変動があるものの、現在でもダイヤモンドは高価な宝石の代表として知られていることに変わりはありません。では、ダイヤモンドの価値が決定づけられた経緯や歴史、具体的な鑑定方法とはどのようなものなのでしょうか?
ダイヤモンドは世界で唯一、世界基準を持っている宝石です。「金」や「プラチナ」といった金属は国際的に価格が決まっているため、その価格に応じて売買されています。ルビー、エメラルドなどのカラーストーンは明確な相場が決まっていません。一方ダイヤモンドの価値を決めるのは、通称「4C」という「Cut(カット)、Color(色)、Clarity(透明度)、Carat(重さ)」からなる4つの基準で価値が決まります。ダイヤモンドは価値を決める基準が定まっていることにより、価格が付きやすいのです。
ダイヤモンドの鑑定は機械で計測するだけではなく、人の目でも行われます。そのため、お店によっては5~10分程度と時間をかけて丁寧に鑑定するところも。また、鑑定士によって価格に差が出てしまうことがあります。高額で売りたいなら1つのお店に絞るのではなく、複数のお店で査定をお願いするのがおすすめです。
鑑定や査定を行ったダイヤモンドに発行される証明書は、「鑑別書」と「鑑定書」の2種類があります。「鑑別書」はその宝石が「本物か偽物か」を科学的に調べた証明書のこと。鑑定書は「ダイヤモンドグレーディングレポート」とも呼ばれ、ダイヤモンド以外の宝石には発行されません。鑑定書は本物のダイヤモンドであることを証明する重要な書類です。高く買い取ってもらいたいなら、ダイヤモンドと一緒に忘れず持参しましょう。
鑑定書の発行を行っている代表的な団体は、「CGL」「GIA」などがあります。CGL(中央宝石研究所)はAGL(日本宝石鑑別団体協議会)が統括している鑑定機関のひとつです。1970年に創業したCGLは40年以上にわたって様々な宝石を鑑定。世界最大のダイヤモンド市場があるベルギーとの提携により、最新の鑑定技術を積極的に取り入れています。日本で取り扱うダイヤモンドの約9割は、CGL発行の鑑定書がついているといわれているほど。豊富な実績を活かし、品質の高い宝石の提供に注力している機関です。
GIAはダイヤモンドの評価基準4Cを考案した、世界でも有数の鑑定機関。CGLの評価基準もGIAの基準をもとに作成されています。CGL・AGLの鑑定書があれば、品質の高い宝石として判断されるといえるでしょう。
ダイヤモンドの鑑定方法は理解できても、具体的にどのような鑑定をされて高値が付くのかイメージできないもの。高値が付くダイヤモンドには共通するポイントが存在します。そのポイントを知っておけば、より高く売れる可能性がアップするはずです。
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ダイヤモンドは紀元前にインドの田舎の河川で採集されたのが始まりです。紀元前4世紀頃のインドでは、すでにダイヤモンドが取引されていたと考えられます。発見当初は「硬さ」と「珍しい正八面体の結晶」という点で注目され、現在の宝石としての価値はほとんどなかったようです。
参照元:GIA(https://www.gia.edu/JP/diamond-history-lore)
インドのダイヤモンドはイタリアの都市ヴェネツィアの市場に運ばれ、次第に西ヨーロッパの人々からも注目されるように。
1400年代にはヨーロッパでダイヤモンドの研磨方法が確立したことによって、ヨーロッパの富裕層の人たちにとってダイヤモンドを所有することは一種のステータスになっていきました。
1700年初期にはインドでダイヤモンドの採集が減少し、それに伴って市場のシェアも下降しました。その時、インドに代わって注目を浴びたのがブラジルです。その当時ダイヤモンドはインドでしか産出されないものと思われていたため、ブラジルの台頭はダイヤモンドの歴史を変える大きな出来事に。ブラジルでは多くのダイヤモンドが採集され、150年以上も市場を独占し続けてきました。
ダイヤモンドの需要はどんどん大きくなっていきましたが、1860年代にはブラジルでの採集も難しくなってきました。そんな時に、南アフリカの鉱山でダイヤモンドが発見。その後南アフリカでの産出量は増加し続け、世界の市場へ一気に流通。この南アフリカでの採集がきっかけでカッティングや研磨方法が進化をとげ、完成された宝石の見た目も現在に近い形で美しくなっていきました。
南アフリカでダイヤモンドが採掘された後はオーストラリアやロシア、カナダでも発見されました。
1990年以降には、ダイヤモンドを人工で生産する技術が世界中に広まります。技術が広まった当時は小粒なダイヤモンドでも高額の費用が発生していましたが、徐々に技術が向上して安価でもそれなりの質を持つダイヤモンドが実現できるように。
しかし、現在人工ダイヤモンドを販売しているショップはほぼありません。人工ダイヤモンドは工業用として使われ、天然のダイヤモンドのみが宝石として販売されています。
デビアス社は1888年にセシル・ローズ氏によって設立された会社です。南アフリカの鉱山を独占したのを皮切りに、次々と世界各地の鉱山を買収しました。1900年には世界で生産されているダイヤモンド原石の約90%を保有するようになり、ダイヤモンド市場を独占します。
参照元:GIA(https://www.gia.edu/JP/diamond-history-lore)
圧倒的なシェアを誇っていたデビアス社ですが1902年と1908年には大規模な鉱山が発見され、別の会社が買収することに。既存の鉱山では生産が追い付かず、デビアス社の生産量は大きく落ちました。
その後1930年に会長となったオッペンハイマー氏の経営戦略によって、デビアス社は2度目のダイヤモンド市場の独占を実現。ダイヤモンドの生産量を調整するためにDPA(生産者組合)をつくり、生産したダイヤモンドを分類するためDTC(ダイヤモンド貿易会社)を設立します。ダイヤモンドジュエリーの販売は、CSO(中央販売機構)を通して行いました。
CSOで行われた販売方法は「サイト」と呼ばれる特殊な方法です。デビアス社は「サイトホルダー」と呼ばれるサイトに参加できる資格を企業に認定して、ダイヤモンドの原石が入った袋を渡す「オールオアナッシング(全部買うか、買わないか)」の選択を行わせました。サイトシステムにより、ダイヤモンドの生産・加工・販売のすべてをデビアス社が一貫して行えるようになったのです。
デビアス社は王室へのダイヤモンドの献上や、有名人を起用してテレビやラジオでダイヤモンドを取り上げるなど、さまざまなマーケティング手法を実行しました。「ダイヤモンドは永遠の輝き」「婚約指輪は給料の3か月分」といったフレーズを通して、ダイヤモンドを身近に感じさせるよう周知したのです。マーケティング活動により、かつて「一部の上流階級が身につけるもの」と思われていたダイヤモンドは販売数を伸ばしました。 日本では高度経済成長とともにダイヤモンドの流通数を伸ばし、世界でもトップクラスのダイヤモンド小売市場に躍り出ています。
デビアス社の戦略によって、ダイヤモンドの価値と需要は高まったのです。
日本は天然のダイヤモンドを生産していませんが、高い加工技術を持つことから世界中のダイヤモンドが集まります。バブル経済期には、当時世界の30%もの宝石が日本に集まっていたという報告もあるほど。美しいカットダイヤモンドを欲しがる買い手は世界中に多く存在しているため、日本のダイヤモンドは世界でもトップクラスの需要と価値を誇っています。
1960年以降の日本では、デビアス社の営業戦略の効果もあり「婚約指輪・結婚指輪=ダイヤモンド」という印象が広がりました。70年代は「婚約指輪=ダイヤモンド」の割合が16%であったことに対して、男性から女性に送る宝石としてイメージが定着した80年代には70%に増加しています。ダイヤモンドは傷つきにくい、壊れにくいという性質を持っており「誰にも壊せない愛」「永遠の絆」といった意味につながることから、婚約指輪や結婚指輪として贈られるようになりました。
参照元:BRANDINGLAB(https://www.is-assoc.co.jp/brandinglab/debeers)
ダイヤモンドは光線や薬品の影響を受けにくいため、輝きを保ちやすいのが特徴です。皮脂やホコリなどで汚れてしまったときには、ぬるま湯に中性洗剤を入れて柔らかい歯ブラシで磨くだけで綺麗になります。手入れが簡単なことも人気を集める理由のひとつでしょう。